校長からのメッセージ

 

校長 東 健司

校 長 東 健 司

 本校は、大阪府立工業高等専門学校として、1963年に設立され、大阪府立大学工業高等専門学校を経て、2022年に「大阪公立大学」の設立に合わせて学校名称を「大阪公立大学工業高等専門学校」に変更し、新しい教育組織・内容(コース再編・カリキュラム改革・大阪府域外募集・専攻科廃止・キャンパス移転)を実施・推進しています。

 本校の活動はよくご存知でしょうが、代表的な活動の一つをあげるとテレビ等でよく放映されている全国高専ロボットコンテストです。デザイン、作成、組立、設置、制御など、全てゼロから学生自らがロボットを製作するのです。本校は5年連続で全国大会出場を果たし、昨年には初優勝しました。その他、プログラミングコンテストや体育大会でも、学生さん達が大活躍しています。

 近年、少子化問題、国際的競争の激化、価値観の多様化、インターネットの普及に伴う開発商品の多様化等、社会の変化が今まで以上に多様化・急速になってきており、この社会変化に対応できる総合的な能力を持つ技術者が必要とされています。特に、今後のデジタル革新(DX:デジタル・トランスフォーメーション)を契機に、第5段階の新たな社会(Society5.0)への変革の時を迎えています。この新しい社会で重要な鍵を握るのは、データサイエンス、IoTAI(人口頭脳)等を中心とする先端技術であり、産業界においてはそうした技術を使いこなし、新規の付加価値の創出や革新的な効率化を通して、生産性向上等に寄与できる新しいビジネスの担い手である「次世代グローバルDX技術者」の育成が期待されています。

 こうした期待に応えていくためには、高専教育の更なる高度化が求められています。本校の教育プログラム「総合的な工学教育システムを背景にしたデータ思考力の涵養」は、文部科学省による審査の結果、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」に認定されました。この教育プログラムは、学生の数理・データサイエンス・AIへの関心を高め、かつ、数理・データサイエンス・AIを適切に理解し、それを活用する基礎的な能力を育成する事を目的として、数理・データサイエンス・AIに関する知識と技術について体系的な教育を行うものです。また、本校の「DXマインドの気付き・動機付けから始める専門技術者の育成」が、文部科学省より「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」として採択されました。

 今後、さらに将来の社会や生活を予想し、何を要求されるかを見出し、「学校での学び」だけでなく自分が「社会でやりたいこと」を見つけて、グローバルにもローカルにもチームを作り、仕事ができる人材になるべく、知識と教養・情報、そして新しいビジネスの「スタートアップマインド」を身につけて頂きたいと思います。身近な生活での小さなことでも良いのです。まず、「自分がやりたいこと」を見つけようとする気持ちこそが、「スタートアップマインド」なのです。「DXマインド」と「スタートアップマインド」を涵養し、皆さんがやってみたいことを実践できる、次世代グローバルDX技術者として育っていただくための教育プログラム・教育設備等を用意しております。

 本校は、20274月以降、大学の工学系学部が集積する中百舌鳥キャンパスにて教育活動を開始いたします。この移転により、高専と大学の連携が更に深まり、産業界における次世代グローバルDX技術者育成の教育面が充実するだけでなく、グローバルな国際的研究の展開や地域連携から国際的連携などの大きな社会貢献において、皆さんの活躍の機会と場が益々増えていくと確信しております。

 入学を希望される皆さんの夢を実現できる、実践的かつ教養溢れる人材育成教育の取組みを進めてまいります。加えて、皆さんの夢の実現や個々の価値観の多様化に対応できる次世代グローバルDX技術者を育成する新しい高専教育を提供していきますので、皆さんの青春時代の「今」を、皆さんの憧れの此処、大阪公立大学高専と共に過ごしましょう!