研究室のイベント

2017年8月20日

  • 2017年度

奈良高専での研究セミナーに参加?(第6回)

8/20(日)に奈良工業高等専門学校で開催された「パワーエレクトロニクス技術に関する人材育成事業の展開/スイッチング電力変換機器の開発」の「ベーシックコース」の第6回に参加…できませんでした!実は今回のセミナーと「平成29年度全国高専・長岡技科大教職員交流集会」がブッキングしており,本研究室は交流集会の方に出席したため,セミナーは今回は欠席することになりました。

ですので,今回のセミナーの内容は直接受講したものではないですが,紹介させていただきます。

2017_08_20 (3) 2017_08_20 (2)

始めは特任助教の服部先生の講義からセミナーが開催されました。今回のセミナーの内容としては,「半導体デバイスのスイッチング特性」についてだそうです。半導体デバイスは理想的にはきれいなパルスで変化しますが,実際のデバイス特性を考慮して設計を行わないと,ノイズや熱の問題を回避することが出来ません。

特に,今回の内容ではパワー半導体デバイスの帰還容量Crrがスイッチング遷移期間中に大きく見える「ミラー効果」やスイッチング損失が限りなくゼロになる「ソフトスイッチング」など,パワー半導体デバイス駆動における重要な要素について講演いただきました。

続いて,「半導体デバイスの駆動技術」について講義が行われました。半導体スイッチの駆動手法に関連し,ゲート抵抗や絶縁処理,ブートストラップ回路等について講演されました。

ゲート抵抗は小さ過ぎるとCgsに充電される電荷量が大きくなるのでスイッチング速度が速くなる代わりにサージ電圧が大きくなったり誤点呼(False Turn-ON)が生じて故障や誤動作の原因になります。ゲート抵抗が大きすぎるとCgsに充電される電荷量が小さくなり,スイッチング速度が遅くなるので,スイッチング損失が増加して性能が低下したり素子が異常に発熱する場合があるため,適切な値にする必要があります。

絶縁処理は回路の様々な部分で組み込まれており,その処理をしっかりと行わないと絶縁の能力を最大限に活かせなかったりします。例えば,フォトカプラであれば絶縁がされていますが,更にノイズの事も考慮して,シールド内蔵タイプの物を選ぶとより効果が得られたり,絶縁トランスやアイソレータだけでなく,一次側と二次側の間にYコンデンサを入れることでコモンモードノイズを低減することが出来ます。

ブートストラップ回路はレグ構造になっている半導体スイッチのゲート駆動用電源を1電源で対応する回路手法です。ブートストラップ方式とその方式を改良したチャージポンプ方式に分けられる場合もありますが,同一の技術として紹介している文献などもあるようです。

2017_08_20 (4) 2017_08_20 (1)

最後は石飛先生にバトンタッチし,「OPアンプとコンバータ」について講義が行われました。OPアンプの基本回路である反転増幅回路やボルテージフォロワなどについて講演されました。

今回のセミナーの詳細は下記リンクの方にございますので,そちらをご覧ください。

http://www.nara-k.ac.jp/contribution/nedo/info/

 


本研究室のご支援をご検討されている方は下記リンクをご参照ください。

大阪公立大学・高専基金