研究室のイベント
2024年4月23日
- 2024年度
2024年度第01回電制研ゼミ開催!
4/23の卒研の時間に,今年度の第01回電制研ゼミを行いました!
今年度のゼミのテーマは「半導体工学」になります。本校も新カリキュラムにおいて半導体ならびに電気電子材料関連の科目の増強をしており,本研究室としても取り組むべきと考えて今年度のテーマとしました。
第01回目は幸野君!今年度は森北出版の「基礎電気工学(第2版)」を元に資料を作成してくれました。大学・高専の初学者向けの「電子工学」「半導体工学」のテキストになります。
第01回目の発表は「電磁界中の電子」についてでした。
電子工学・半導体工学を学ぶ上で,電場(電界)や磁場(磁界)における電子の振る舞いを知るのは非常に重要です。例えば,18~19世紀においては全ての物質は原子によって構成されているとも割れていましたが,J. J. Thomsonが電子の比電荷を測定し,原子よりも小さな物質の存在(電子)について提唱しました。比電荷とは,荷電粒子の電気量(電荷)q[C]と荷電粒子の質量m[kg]の比であり,陰極線(真空管内で陰極(-)から陽極(+)へ向かう放射線)中の物質の比電荷が一定の値であることを確認しました。この大元の実験機器はクルックス管と呼ばれます。さらにトムソンは従来のクルックス管よりも真空度が高いガラス管を用いて実験を行いました。これにより,陰極線は電場と磁場の2方向に曲がることを明らかにしました。即ち,電子は電場や磁場から力を受けるという性質を持っているといえます。
半導体においては電場や磁場の影響は非常に重要であり,半導体の代表格の一つであるFETは「電界効果トランジスタ」であり,半導体内部の電場(電界)によって電流を制御するトランジスタです。また,半導体に電流が流れている際に,電流に垂直な磁場をかけると,電流と磁場の両方に垂直な向きに電位差(起電力)が生じる現象のことを「ホール効果」といい,これを積極的に活用したのが「ホール素子」になります。
半導体をしっかりと理解する上では,こういった知識は欠かせないですね。
【川上】
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