研究室のイベント
2024年5月21日
- 2024年度
2024年度第03回電制研ゼミ開催!
5/21の卒研の時間に,今年度の第03回電制研ゼミを行いました!
今年度のゼミのテーマは「半導体工学」になります。本校も新カリキュラムにおいて半導体ならびに電気電子材料関連の科目の増強をしており,本研究室としても取り組むべきと考えて今年度のテーマとしました。
第03回目は幸野君!今年度は森北出版の「基礎電気工学(第2版)」を元に資料を作成してくれました。大学・高専の初学者向けの「電子工学」「半導体工学」のテキストになります。
第03回目の発表は「固体中の電子」についてでした。
電子は粒子であると同時に,結晶格子で回析することから,波としての性質もあることが知られています。そのため,ボーアのモデルのように,真空中の電子は粒子として扱っても大きな問題は生じませんが,原子が電子の波の波長程度で並んでいる固体中では,電子の波としての性質が強く出てくるため,電子を波として取り扱う必要が出てきます。粒子としての電子は,座標と運動量とでその状態を表すことができる一方で,波としての電子の状態を表す場合,その波を表す波動関数,そしてその波動関数を解とする波動方程式が必要となります。その中でも代表的な波動方程式として,シュレーディンガーの波動方程式(シュレーディンガー方程式)があります。
また,波動方程式の応用例として,金属中の電子を考える場合,ゾンマーフェルトのモデルを考えます。金属中には無数の電子が存在し,金属内を自由に移動できる自由電子が含まれます。この自由電子によって金属は電気を伝える導体となりますが,数多くの自由電子を取り扱っても人力で解析することは出来ません。そこで,金属内には一つの電子だけが存在すると仮定して電子の振る舞いを考えるモデルこそ,ゾンマーフェルトのモデルとなります。このゾンマーフェルトのモデルにシュレーディンガーの波動方程式を用いることで,金属中の電子の振る舞いを表す波動関数ならびにその電子のエネルギーがわかります。
こういったシュレーディンガーの波動方程式は半導体工学においてはよく出てきますのでしっかりと理解したいですね!
【川上】
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