研究室のイベント

2024年7月16日

  • 2024年度

2024年度第08回電制研ゼミ開催!

7/16の卒研の時間に,今年度の第08回電制研ゼミを行いました!

今年度のゼミのテーマは「半導体工学」になります。本校も新カリキュラムにおいて半導体ならびに電気電子材料関連の科目の増強をしており,本研究室としても取り組むべきと考えて今年度のテーマとしました。

第08回目は中嶋君!今年度は森北出版の「基礎電気工学(第2版)」を元に資料を作成してくれました。大学・高専の初学者向けの「電子工学」「半導体工学」のテキストになります。

第08回目の発表は「p-n接合(1)」についてでした。

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p-n接合デバイスとして最も基本的なものとして,ダイオードが挙げられます。ダイオードに順バイアス電圧を印加すると電流が流れ,逆バイアス電圧を印加すると電流はほとんど流れなくなります。この性質を利用して,交流を直流に変換する整流回路やAC-DCコンバータにはなくてはならない存在となりました。

ちなみにこの順バイアス電圧/逆バイアス電圧順方向電圧/逆方向電圧順方向バイアス/逆方向バイアスなど用語が統一されていないイメージがあります。

順バイアス電圧をダイオードに印加した際にはp型半導体に正,n型半導体に負の電圧を印加したことになります。この場合,p型半導体に正孔,n型半導体に電子を注入したことになります。この結果,多数キャリアが過剰となるため,空乏層が縮小・消滅し,キャリアは接合部付近で次々に消滅・再結合します。結果的に,空乏層付近で消滅・再結合が行われておりますが,電子の動きをマクロで見るときちんとループとして移動しており,電流が流れているように見えます。ちなみに電子と電流の方向は逆なので注意ですね。

一方で,逆バイアス電圧をダイオードに印加した場合,それぞれの領域で多数キャリアが不足します。そうすると,接合部付近の空乏層が更に大きくなってしまいます。その際に,内部の電場が強まるため,拡散電位が上昇してしまいます。この拡散電位が上昇した際に,外部から印加された電圧を打ち消すように働くため,逆方向に電流は流れにくくなります。

こういうところはパワーエレクトロニクスに繋がってきますので,しっかりと押さえておきたいですね。

【川上】 


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